小国のデザイン力と背景にある教育~デンマーク~
長くて暗い冬を家の中でいかに快適に暮らすか、ということは、人々にとって必要不可欠な要素であったため、デンマークでは、人々のデザイン力が培われてきました。その中で150~160 年前から多くのデザイナーや建築家が日本のデザインや建築に影響を受け、そこからデンマークスタイルが確立されてきたことは興味深い点でもあります。もののデザインのみならず、エネルギー資源がなかった小国であることから、国力をつけるためには人が資源になり、諸外国と対等に向き合うためにも、国の制度や政策のあり方にもデザイン力が生かされてくるようになったのです。
そこに人と人が信頼し合う土壌が加わり、連携と助け合いの精神から、幸福度の高い国として、小国でありながら、世界一を誇れるものが多くある国になりました。環境先進国でもあり、風力発電は国の産業としても名高く、また、医療福祉の現場で活用できる個人データの蓄積が1977 年以降全て利用可能な状態で、今後迎える少子高齢化社会への解決策としてIoT 開発でも世界をリードしています。
こうした背景には、そもそも人がいかに幸せに楽しく暮らすか、という大前提があり、文化やアート、音楽を楽しむ土壌も根強く、社会の中で確実に必要なものとしての認識が高く、公的機関の取り組み方も日本とは大きく違っています。社会背景や国民性が違うからこそ生きてきたデザイン力とも言えるでしょう。
今回は、デンマーク在住の講師から、その事例を生活者、母親、またアーティストの視点でご紹介いただきながら、参加者と共に考察する機会となるセミナーです。是非皆さまのご参加をお待ち申し上げております。
【開催概要】
〇開催日:2024年6月6日(木)
18:00~20:00
〇会場:一般財団法人 大阪デザインセンター セミナー室
大阪市中央区船場中央1-3-2-101 船場センタービル2号館1階
〇参加費(税込):JIDA会員 550円 / 一般 1,100円
〇主催:(公社)日本インダストリアルデザイン協会 関西ブロック
〇協力:(一財)大阪デザインセンター
〇申込:https://peatix.com/event/3960936/view
【講師プロフィール】
Yuko Takada Keller /ユウコ・タカダ ケラー
デンマーク芸術家協会会員
2014~2019 相模女子大学客員教授
1997 デンマークに移住
1990~1997 (旧)成安短期大学専任講師を経て助教授
1983 京都市立芸術大学大学院美術研究科修了
日本在住時より、ヨーロッパ、アメリカ、カナダなどで作品発表。 1997 年デンマークに移住後、アーティストとしてだけでなくキュレーターとして日本のアーティストをデンマークに紹介する展覧会の企画を行う。中でも2007年、デンマークで16 人の日本人アーティストを紹介する展覧会「Japanese Suppleness」を企画した際には、当時の女王マルグレーテ2 世陛下を招待し、自身で展覧会のご案内をするなど、大成功を収めた。近年はより文化的な企画やワークショップも多方面で展開。
個展、グループ展、コミッションワーク、作品の常設展示所蔵、他多数。
【問い合わせ先】
JIDA関西ブロック 運営委員 藤本英子(tel:090-3920-5318)